会津坂下町
小公園4の設計コンセプト

季節の変わりをこの公園でおしゃべりしながら感じてみませんか。


  キンモクセイの生け垣の前に、五枚の石屏風が並んでいます。これらの屏風のまえにかわいらしい球体の手水鉢があります。湧き上がる清水が、夜になるトライとを浴びてキラキラと輝きます。池から中央の水路へと水が流れています。その水路の上を渡る太鼓橋は自由に池の両側のステージと行き来できる役割をしています。
  春を告げるのは、しだれ桜とユキヤナギ、そしてシバザクラです。夏には、まぶしい光を受けて、オカメザサとシバの青々とした気持ちのいい緑はこの公園にあります。秋にはドウダンツツジの燃えるような赤に、キンモクセイの香りが漂います。一年を通して、自然の美しくをベンチに座っておしゃべりでもしながら感じてくださいませ。

    20年ほど前、この住宅の庭の一角に井戸がありました。夕食の支度をしながら、主婦達の「井戸端会議」を行っていたそうです。しかし、下水道整備により、生活用水は井戸水から水道水に代わり、井戸は使われなくなり枯れました。上の写真のように荒れた姿の井戸が町の所々に残されています。
  街なみ環境整備事業の一環として公園づくりを行われた時、ワークショップで住民から"昔、懐かしいあの「井戸端会議」ができる場所を作って欲しい”との要望がありました。ワークショップが重なるうちに、今の時代にふさわしい「井戸端会議」を開催できる場所は、井戸を一つの要素として考え、四季折々緑豊かな公園のイメージにたどりました。下のイメージを想像しながら、設計を進んでまいりました。

 人々が集うような場所になるようにと願いを込めて、土地を提供してくださった地主の方です。日頃も、手入れをしてください、愛着心を持っていただいて、本当に感謝しています。